第5章 業務

第1節 通 則 (第31条〜第50条の2の4)

第2節 指定流通機構 (第50条の2の5〜第50条の15)

第3節 指定保証機関 (第51条〜第63条の2)

第4節 指定保管機関 (第63条の3〜第64条)

最初・第5章第1節 通 則

(業務処理の原則)

第31条 宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。
2 宅地建物取引業者は、第50条の2第1項に規定する取引一任代理等を行うに当たつては、投機的取引の抑制が図られるよう配慮しなければならない。

(誇大広告等の禁止)

第32条 宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の賃借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

(広告の開始時期の制限)

第33条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。

(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)

第33条の2 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
1.宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
2.当該宅地又は建物の売買が第41条第1項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第1号又は第2号に掲げる措置が講じられているとき。

(取引態様の明示)

第34条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別(次項において「取引態様の別」という。)を明示しなければならない。
2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。

(媒介契約)

第34条の2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。
1.当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
2.当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額
3.当該宅地又は建物について、依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することの許否及びこれを許す場合の他の宅地建物取引業者を明示する義務の存否に関する事項
4.媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
5.当該宅地又は建物の第5項に規定する指定流通機構への登録に関する事項
6.報酬に関する事項
7.その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
2 宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
3 依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約(以下「専任媒介契約」という。)の有効期間は、3月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、3月とする。
4 前項の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から3月を超えることができない。
5 宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が指定する者(以下「指定流通機構」という。)に登録しなければならない。
6 前項の規定による登録をした宅地建物取引業者は、第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。
7 前項の宅地建物取引業者は、第5項の規定による登録に係る宅地又は建物の売買又は交換の契約が成立したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を当該登録に係る指定流通機構に通知しなければならない。
8 専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、1週間に1回以上)報告しなければならない。
9 第3項から第6項まで及び前項の規定に反する特約は、無効とする。

(代理契約)

第34条の3 前条の規定は、宅地建物取引業者に宅地又は建物の売買又は交換の代理を依頼する契約について準用する。

(重要事項の説明等)

第35条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
1.当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
2.都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
3.当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項
4.飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設か整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
5.当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
6.当該建物が建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
7.代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
8.契約の解除に関する事項
9.損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
10.第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条又は第41条の2の規定による措置の概要
11.支払金又は預り金(宅地建物取引業者の相手方等からその取引の対象となる宅地又は建物に関し受領する代金、交換差金、借賃その他の金銭(第41条第1項又は第41条の2第1項の規定により保全の措置が講ぜられている手付金等を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を受領しようとする場合において、第64条の3第2項の規定による保証の措置その他国土交通省令・内閣府令で定める保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
12.代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
13.当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
14.その他宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める命令で定める事項
イ 事業を営む場合以外の場合において宅地又は建物を買い、又は借りようとする個人である宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に資する事項を定める場合 国土交通省令・内閣府令 ロ イに規定する事項以外の事項を定める場合 国土交通省令
2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の割賦販売(代金の全部又は一部について、目的物の引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ、2回以上に分割して受領することを条件として販売することをいう。以下同じ。)の相手方に対して、その者が取得しようとする宅地又は建物に関し、その割賦販売の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
1.現金販売価格(宅地又は建物の引渡しまでにその代金の全額を受領する場合の価格をいう。)
2.割賦販売価格(割賦販売の方法により販売する場合の価格をいう。)
3.宅地又は建物の引渡しまでに支払う金銭の額及び賦払金(割賦販売の契約に基づく各回ごとの代金の支払分で目的物の引渡し後のものをいう。第42条第1項において同じ。)の額並びにその支払の時期及び方法
3 宅地建物取引業者は、宅地又は建物に係る信託(当該宅地建物取引業者を委託者とするものに限る。)の受益権の売主となる場合における売買の相手方に対して、その者が取得しようとしている信託の受益権に係る信託財産である宅地又は建物に関し、その売買の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。ただし、その売買の相手方の利益の保護のため支障を生ずることがない場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
1.当該信託財産である宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
2.当該信託財産である宅地又は建物に係る都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で政令で定めるものに関する事項の概要
3.当該信託財産である宅地又は建物に係る私道に関する負担に関する事項
4.当該信託財産である宅地又は建物に係る飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
5.当該信託財産である宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令で定める事項
6.当該信託財産である建物が建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で国土交通省令で定めるもの
7.その他当該信託の受益権の売買の相手方の利益の保護の必要性を勘案して国土交通省令で定める事項
4 取引主任者は、前3項の説明をするときは、説明の相手方に対し、取引主任者証を提示しなければならない。 第1項から第3項までの書面の交付に当たつては、取引主任者は、当該書面に記名押印しなければならない。

(供託所等に関する説明)

第35条の2 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第64条の2第1項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員でないときは第1号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同条同項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員であるときは、第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第1号及び第2号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第2号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。
1.営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及びその所在地
2.社員である旨、当該一般社団法人の名称、住所及び事務所の所在地並びに第64条の7第2項の供託所及びその所在地

(契約締結等の時期の制限)

第36条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。

(書面の交付)

第37条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
1.当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所
2.当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
3.代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法
4.宅地又は建物の引渡しの時期
5.移転登記の申請の時期
6.代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
7.契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8.損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
9.代金又は交換差金についての金銭の貸借のあつせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
10.天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
11.当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容
12.当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容
2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 1.前項第1号、第2号、第4号、第7号、第8号及び第10号に掲げる事項
2.借賃の額並びにその支払の時期及び方法
3.借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
3 宅地建物取引業者は、前2項の規定により交付すべき書面を作成したときは、取引主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。

(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)

第37条の2 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
1.買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算しで8日を経過したとき。
2.申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
2 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
4 前3項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

(損害賠償額の予定等の制限)

第38条 宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2をこえることとなる定めをしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、代金の額の10分の2をこえる部分について、無効とする。

(手附の額の制限等)

第39条 宅地建物取引事務は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2をこえる額の手附を受領することができない。
2 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。

(瑕疵担保責任についての特約の制限)

第40条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治29年法律第89号)第570条において準用する同法第566条第3項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

(手付金等の保全)

第41条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の100分の5以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
1.銀行その他政令で定める金融機関又は国土交通大臣が指定する者(以下この条において「銀行等」という。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務を負うこととなつた場合において当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約(以下「保証委託契約」というごを締結し、かつ、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付すること。
2.保険事業者(保険業法(平成7年法律第105号)第3条第1項又は第185条第1項の免許を受けて保険業を行う者をいう。以下この号において同じ。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の不履行により買主に生じた損害のうち少なくとも当該返還債務の不履行に係る手付金等の額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること。
2 前項第1号の規定による保証委託契約は、銀行等が次の各号に掲げる要件に適合する保証契約を買主との間において成立させることを内容とするものでなければならない。
1.保証債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものであること。
2.保証すべき手付金等の返還債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでに生じたものであること。
3 第1項第2号の規定による保証保険契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
1.保険金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)に相当する金額であること。
2.保険期間が、少なくとも保証保険契約が成立した時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
4 宅地建物取引業者が、第1項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、同項第1号又は第2号に掲げる措置を講じないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。
5 宅地建物取引業者は、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第1項に規定する買主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令・内閣府令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。
1.第1項第1号に掲げる措置のうち、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付する措置
2.第1項第2号に掲げる措置のうち、保険証券に代わるべき書面を買主に交付する措置

 第41条の2

 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第1項に規定する売買を除く。)に関しては、同項第1号若しくは第2号に掲げる措置を講じた後又は次の各号に掲げる措置をいずれも講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の10分の1以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
1.国土交通大臣が指定する者(以下「指定保管機関」という。)との間において、宅地建物取引業者が自己に代理して当該指定保管機関に当該手付金等を受領させることとするとともに、当該指定保管機関が、当該宅地建物取引業者が受領した手付金等の額に相当する額の金銭を保管することを約する契約(以下「手付金等寄託契約」という。)を締結し、かつ、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付すること。
2.買主との間において、買主が宅地建物取引業者に対して有することとなる手付金等の返還を目的とする債権の担保として、手付金等寄託契約に基づく寄託金の返還を目的とする債権について質権を設定する契約(以下「質権設定契約」という。)を締結し、かつ、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付し、及び当該質権設定契約による質権の設定を民法第467条の規定による確定日付のある証書をもつて指定保管機関に通知すること。
2 前項第1号の規定による手付金等寄託契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
1.保管される金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等で指定保管機関に保管されていないものがあるときは、その保管されていないものの額を加えた額)に相当する金額であること。
2.保管期間が、少なくとも指定保管機関が宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領した時から当該手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
3 第1項第2号の規定による質権設定契約は、設定される質権の存続期間が、少なくとも当該質権が設定された時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であるものでなければならない。
4 宅地建物取引業者は、第1項各号に掲げる措置を講ずる場合において、既に自ら手付金等を受領しているときは、自ら受領した手付金等の額に相当する額(既に指定保管機関が保管する金銭があるときは、その額を除いた額)の金銭を、買主が手付金等の支払をする前に、指定保管機関に交付しなければならない。
5 宅地建物取引業者が、第1項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、前条第1項第1号若しくは第2号に掲げる措置を講じないとき、第1項各号の一に掲げる措置を講じないとき、又は前項の規定による金銭の交付をしないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。
6 宅地建物取引業者は、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第1項に規定する買主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令・内閣府令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。
1.第1項第1号に掲げる措置のうち、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付する措置
2.第1項第2号に掲げる措置のうち、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付する措置

(宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限)

第42条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

(所有権留保等の禁止)

第43条 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合には、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに代金の額の10分の3をこえる額の金銭の支払を受けていない場合にあつては、代金の額の10分の3をこえる額の金銭の支払を受けるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、買主が、当該宅地又は建物につき所有権の登記をした後の代金債務について、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
2 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合において、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の10分の3をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
3 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ、2回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに受領した代金の額から当該保証に係る債務で当該宅地又は建物を引き渡すまでに弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の10分の3をこえていない場合にあつては、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の10分の3をこえるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、宅地建物取引業者が当該保証債務を履行した場合に取得する求償権及び当該宅地又は建物につき買主が所有権の登記をした後の代金債権について、買主が、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限っでない。
4 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、当該宅地又は建物の代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ、2回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該売買に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の10分の3をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。

(不当な履行遅延の禁止)

第44条 宅地建物取引業者は、その業務に関してなすべき宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払を不当に遅延する行為をしてはならない。

(秘密を守る義務)

第45条 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。

(報酬)

第46条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3 国土交通大臣は、第1項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。 4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第1項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。

(業務に関する禁止事項)

第47条 宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
1.宅地若しくは建物の売買、交換若しくは賃借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
イ 第35条第1項各号又は第2項各号に掲げる事項
ロ 第35条の2各号に掲げる事項
ハ 第37条第1項各号又は第2項各号(第1号を除く。)に掲げる事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
2.不当に高額の報酬を要求する行為
3.手付けについて貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
  第47条の2  宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
2 宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。
3 宅地建物取引業者等は、前2項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて第35条第1項第14号イに規定する、宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。

(証明書の携帯等)

第48条 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。
2 従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。
3 宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、住所、第1項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
4 宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があつたときは、前項の従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。

(帳簿の備付け)

第49条 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。

(標識の掲示等)

第50条 宅地建物取引業者は、事務所等及び事務所等以外の国土交通省令で定めるその業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。 2 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、あらかじめ、第15条第1項の国土交通省令で定める場所について所在地、業務内容、業務を行う期間及び専任の取引主任者の氏名を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。

(取引一任代理等に係る特例)

第50条の2 宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に係る判断の全部又は一部を次に掲げる契約により一任されるとともに当該判断に基づきこれらの取引の代理又は媒介を行うこと(以下「取引一任代理等」という。)について、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認可を受けたときは、第34条の2及び第34条の3の規定は、当該宅地建物取引業者が行う取引一任代理等については、適用しない。
1.当該宅地建物取引業者が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第29条の登録(同法第28条第4項に規定する投資運用業の種別に係るものに限る。)を受けて次のイ又はロに掲げる者と締結する当該イ又はロに定める契約 イ 当該宅地建物取引業者がその運用の指図を行う委託者指図型投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)第2条第1項に規定する委託者指図型投資信託をいう。)の信託財産の受託会社(同法第9条に規定する受託会社をいう。) 同法第3条に規定する投資信託契約
ロ 当該宅地建物取引業者がその資産の運用を行う投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第12項に規定する投資法人をいう。) 同法第188条第1項第4号に規定する委託契約
2.当該宅地建物取引業者が次のイ又はロに掲げる規定に基づき宅地又は建物の売買、交換又は賃貸に係る業務を受託する場合における当該業務を委託する当該イ又はロに定める者と締結する当該業務の委託に関する契約
イ 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第203条 同法第2条第3項に規定する特定目的会社
ロ 資産の流動化に関する法律第284条第2項 同法第2条第16項に規定する受託信託会社等
2 前項の認可を受けた宅地建物取引業者(以下「認可宅地建物取引業者」という。)が取引一任代理等を行う場合には、当該取引一任代理等に係る前項各号に掲げる契約の相手方に対しては、次の各号に掲げる規定にかかわらず、当該各号に定める行為をすることを要しない。
1.第35条第1項 同項に規定する書面の交付及び説明
2.第35条第2項 同項に規定する書面の交付及び説明
3.第35条の2 同条に規定する説明
4.第37条第2項 同項に規定する書面の交付

(認可の条件)

第50条の2の2 国土交通大臣は、前条第1項の認可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、宅地及び建物の取引の公正を確保するため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

(認可の基準等)

第50条の2の3 国土交通大臣は、第50条の2第1項の認可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、認可をしてはならない。
1.その行おうとする取引一任代理等を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有しないこと。
2.その営む業務の収支の見込みが良好でなく、取引一任代理等の公正を害するおそれがあること。
3.その行おうとする取引一任代理等を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有しないこと。
2 国土交通大臣は、第50条の2第1項の認可をしない場合においては、その理由を付した書面をもつて、申請者にその旨を通知しなければならない。 3 国土交通大臣は、第50条の2第1項の認可をした場合であつて、当該宅地建物取引業者が都道府県知事の免許を受けたものであるときは、遅滞なく、その旨を当該都道府県知事に通知しなければならない。

(不動産信託受益権等の売買等に係る特例)

第50条の2の4 金融商品取引業者(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者をいう。)又は金融商品仲介業者(同条第12項に規定する金融商品仲介業者をいう。)である宅地建物取引業者が、宅地若しくは建物に係る信託の受益権又は当該受益権に対する投資事業に係る組合契約(民法第667条第1項に規定する組合契約をいう。)、匿名組合契約(商法(明治32年法律第48号)第535条に規定する匿名組合契約をいう。)若しくは投資事業有限責任組合契約(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)第3条第1項に規定する投資事業有限責任組合契約をいう。)に基づく権利(以下この条において「不動産信託受益権等」という。)の売主となる場合又は不動産信託受益権等の売買の代理若しくは媒介をする場合においては、これを当該宅地建物取引業者が宅地又は建物に係る信託(当該宅地建物取引業者を委託者とするものに限る。)の受益権の売主となる場合とみなして第35条第3項から第5項までの規定を適用する。この場合において、同条第3項本文中「売買の相手方に対して」とあるのは「売買の相手方又は代理を依頼した者若しくは媒介に係る売買の各当事者(以下「不動産信託受益権売買等の相手方」という。)に対して」と、「信託の受益権に係る」とあるのは「第50条の2の4に規定する不動産信託受益権等に係る」と、同項ただし書中「売買の相手方」とあり、及び同項第7号中「信託の受益権の売買の相手方」とあるのは「不動産信託受益権売買等の相手方」とする。

最初・第5章第2節 指定流通機構

(指定等)

第50条の2の5 第34条の2第5項の規定による指定(以下この節において「指定」という。)は、次に掲げる要件を備える者であつて、次条第1項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものにつき、国土交通省令で定めるところにより、その者の同意を得て行わなければならない。
1.宅地及び建物の取引の適正の確保及び流通の円滑化を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であること。
2.第50条の14第1項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者でないこと。
3.役員のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 第5条第1項第1号、第3号又は第3号の2に該当する者
ロ 指定流通機構が第50条の14第1項の規定により指定を取り消された場合において、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその指定流通機構の役員であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないもの
2 国土交通大臣は、指定をしたときは、指定流通機構の名称及び主たる事務所の所在地、当該指定をした日その他国土交通省令で定める事項を公示しなければならない。
3 指定流通機構は、その名称又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定流通機構の業務)

第50条の3 指定流通機構は、この節の定めるところにより、次に掲げる業務を行うものとする。
1.専任媒介契約その他の宅地建物取引業に係る契約の目的物である宅地又は建物の登録に関すること。
2.前号の登録に係る宅地又は建物についての情報を、宅地建物取引業者に対し、定期的に又は依頼に応じて提供すること。
3.前2号に掲げるもののほか、前号の情報に関する統計の作成その他宅地及び建物の取引の適正の確保及び流通の円滑化を図るために必要な業務
2 指定流通機構は、国土交通省令で定めるところにより、その業務の一部を、国土交通大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。

(差別的取扱いの禁止)

第50条の4 指定流通機種は、前条第1項第1号及び第2号に掲げる業務(以下この節において「登録業務」という。)の運営に関し、宅地又は産物を登録しようとする者その他指定流通機構を利用しようとする宅地建物取引業者に対して、不当に差別的な取扱いをしてはならない。

(登録業務規程)

第50条の5 指定流通機構は、登録業務に関する規程(以下この節において「登分業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録業務規程には、登録業務の実施方法(登録業務の連携代行等に関する他の指定流通機構との協定の締結を含む。)、登録業務に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。この場合において、当該料金は、能率的な業務運営の下における適正な原価を償う限度のものであり、かつ、公正妥当なものでなければならない。
3 国土交通大臣は、第1項の認可をした登録業務規程が登録業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定流通機構に対し、その登録業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(登録を証する書面の発行)

第50条の6 指定流通機構は、第34条の2第5項の規定による登録があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該登録をした宅地建物取引業者に対し、当該登録を証する書面を発行しなければならない。

(売買契約等に係る件数等の公表)

第50条の7 指定流通機構は、当該指定流通機構に登録された宅地又は建物について、国土交通省令で定めるところにより、毎月の売買又は交換の契約に係る件数その他国土交通省令で定める事項を公表しなければならない。

(事業計画等)

第50条の8 指定流通機構は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定流通機構は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に、国土交通大臣に提出しなければならない。

(登録業務に関する情報の目的外使用の禁止)

第50条の9 指定流通機構の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、登録業務に関して得られた情報を、第50条の3第1項に規定する業務の用に供する目的以外に使用してはならない。

(役員の選任及び解任)

第50条の10 指定流通機構の役員の選任及び解任は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 国土交通大臣は、指定流通機構の役員が、この法律の規定(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第50条の5第1項の規定により認可を受けた登録業務規程に違反する行為をしたとき、又は登録業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定流通機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

(監督命令)

第50条の11 国土交通大臣は、第50条の3第1項に規定する業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定流通機構に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(報告及び検査)

第50条の12 国土交通大臣は、第50条の3第1項に規定する業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定流通機構に対し、当該業務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定流通機種の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(登録業務の休廃止)

第50条の13 指定流通機構は、登録業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、休止し、又は廃止しようとする日の30日前までに、国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
2 国土交通大臣は、前項の届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)

第50条の14 国土交通大臣は、指定流通機構が次の各号のいずれかに該当するときは、当該指定流通機構に対し、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1.登録業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
2.この節の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
3.第50条の5第1項の規定により認可を受けた登録業務規程によらないで登録業務を行つたとき。
2 第16条の15第3項から第5項までの規定は、前項の規定による処分に係る聴聞について準用する。
3 国土交通大臣は、第1項の規定による処分をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(他の指定流通機構による登録業務の実施等)

第50条の15 国土交通大臣は、第50条の13第1項の規定による登録業務の全部若しくは一部の休止若しくは廃止の届出があつたとき、前条第1項の規定により指定を取り消したとき若しくは登録業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定流通機構が天災その他の事態により登録業務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該登録業務の全部又は一部を、第50条の5第1項の認可をした登録業務規程に従い、他の指定流通機構に行わせることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定により他の指定流通機構に登録業務を行わせることとしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、第1項に規定する事由が生じた場合における所要の経過措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、国土交通省令で定めることができる。

最初・第5章第3節 指定保証機関

(指定)

第51条 第41条第1項第1号の指定(以下この節において「指定」という。)は、宅地又は建物の売買に関し宅地建物取引業者が買主から受領する手付金等の返還債務を保証する事業(以下「手付金等保証事業」という。)を営もうとする者の申請により行う。
2 指定を受けようとする者は、国土交通省令の定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
1.商号
2.役員の氏名及び住所
3.本店、支店その他政令で定める営業所の名称及び所在地
4.資本金の額
3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
1.定款及び事業方法書
2.収支の見積りその他国土交通省令で定める事項を記載した事業計画書
3.手付金等保証事業に係る保証委託契約約款
4.その他国土交通省令で定める書類
4 前項第1号の事業方法書には、保証の目的の範囲、支店及び政令で定めるその他の営業所の権限に関する事項、保証限度、各保証委託者からの保証の受託の限度、保証委託契約の締結の方法に関する事項、保証の受託の拒否の基準に関する事項その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。

(指定の基準)

第52条 国土交通大臣は、指定を申請した者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その指定をしてはならない。
1.資本金の額が5千万円以上の株式会社でないこと。
2.前号に規定するほか、その行おうとする手付金等保証事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有しないこと。
3.定款の規定又は事業方法書若しくは事業計画書の内容が法令に違反し、又は事業の適正な運営を確保するのに十分でないこと。
4.手付金等保証事業に係る保証委託契約約款の内容か国土交通省令で定める基準に適合しないこと。
5.第62条第2項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないこと。
6.この法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しないこと。
7.役員のうちに次のいずれかに該当する者のあること。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ハ この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ニ 指定を受けた者(以下この節において「指定保証機関」という。)が第62条第2項の規定により指定を取り消された場合において、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその指定保証機関の役員であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないもの

(変更の届出)

第53条 指定保証機関は、第51条第2項各号に掲げる事項又は同条第3項第1号若しくは第3号に掲げる書類に記載した事項について変更があつた場合においては、国土交通省令の定めるところにより、2週間以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

(事業の不開始又は休止に基づく指定の取消し)

第54条 国土交通大臣は、第62条第2項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保証機関が指定を受けた日から3月以内に手付金等保証事業を開始しないとき、又は引き続き3月以上その手付金等保証事業を休止したときは、当該指定保証機関の指定を取り消すことができる。 2 第16条の15第3項から第5項までの規定は、前項の規定による処分に係る聴関について準用する。

(廃業等の届出)

第55条 指定保証機関が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、2週間以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
1.合併により示した場合 消滅した会社を代表する役員であつた者
2.破産手続開始の決定により解散した場合 その破産管財人
3.合併又は破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 その清算人
4.手付金等保証事業を廃止した場合 その会社を代表する役員
2 前項第2号から第4号までの規定により届出があつたときは、指定は、その効力を失う。

(兼業の制限)

第56条 指定保証機関は、手付金等保証事業以外の事業を営んではならない。ただし、買主の利益の保護のため支障を生ずることがないと認められるものについて、国土交通大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2 指定保証機関が第41条の2第1項第1号の指定を受けたときは、前項ただし書の承認を受けたものとみなす。

(責任準備金の計上)

第57条 指定保証機関は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければならない。
1.当該保証契約の保証期間のうちまだ経過していない期間に対応する保証料の総額に相当する金額
2.当該事業年度において受け取つた保証料の総額から当該保証料に係る保証契約に基づいて支払つた保証金(当該保証金の支払に基づく保証委託者からの収入金を除く。)、当該保証料に係る保証契約のために積み立てるべき支払額金及び当該事業年度の事業費の合計額を控除した残額に相当する金額
2 指定保証機関が前項の規定により責任準備金を計上した場合においては、その計上した金額は、法人税法(昭和40年法律第34号)の規定によるその計上した事業年度の所得の金額又はその計上した連結事業年度の連結所得の金額の計算上、積金の額に算入する。
3 前項の規定により損金の額に算入された責任準備金の金額は、法人税法の規定によるその翌事業年度の所得の金額又はその翌連結事業年度の連結所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(支払備金の積立て)

第58条 指定保証機関は、決算期ごとに、次の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。
1.保証契約に基づいて支払うべき保証金その他の金額のうちに決算期までにその支払が終わらないものがある場合においては、その金額
2.保証契約に基づいて支払う義務が生じたと認められる保証金その他の金額がある場合においては、その支払うべきものと認められる金額
3.現に保証金その他の金額について訴訟が係属しているために支払つていないものがある場合においては、その金額

(保証基金)

第59条 指定保証機関は、定款の定めるところにより、保証基金を設けなければならない。
2 指定保証機関は、責任準備金をもつて保証債務を支払うことができない場合においては、当該保証債務の弁済に充てる場合に限り、保証基金を使用することができる。

(契約締結の禁制)

第60条 指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締結してはならない。

(改善命令)

第61条 国土交通大臣は、指定保証機関が第52条第2号から第4号までの規定に該当することとなつた場合において、買主の利益を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該指定保証機関に対し、財産の状況又はその事業の運営を改善するため必要な措置を執るべきことを命ずることができる。

(指定の取消し等)

第62条 国土交通大臣は、指定保証機関が次の各号の一に該当する場合又はこの法律の規定に違反した場合においては、当該指定保証機関に対して、必要な指示をすることができる。
1.手付金等保証事業に関しその関係者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき。
2.手付金等保証事業に関し不誠実な行為をしたとき。 3.手付金等保証事業に関し他の法令に違反し、指定保証機関として不適当であると認められるとき。
2 国土交通大臣は、指定保証機関が次の各号の一に該当する場合においては、当該指定保証機関に対し、その指定を取り消し、又は6月以内の期間を定めて手付金等保証事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1.不正の手段により指定を受けたとき。
2.第52条第1号、第6号又は第7号に該当することとなつたとき。
3.第53条の規定による届出を怠つたとき。
4.第55条第1項の規定による届出がなくて同項第2号から第4号までの一に該当する事実が判明したとき。
5.第56条第1項の規定に違反して手付金等保証事業以外の事業を営んだとき。
6.第60条の規定に違反して保証委託契約を締結したとき。
7.前条の規定による改善命令に違反したとき。
8.前項の規定による指示に従わなかつたとき。
9.この法律の規定に基づく国土交通大臣の処分に違反したとき。
3 国土交通大臣は、第1項の規定により必要な指示をし、又は前項の規定により手付金等保証事業の全部若しくは一部の停止を命じようとするときは、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
4 第16条の15第3項から第5項までの規定は、第1項又は第2項の規定による処分に係る聴聞について準用する。

(事業報告書等の提出)

第63条 指定保証機関は、毎事業年度開始前に、収支の見積りその他国土交通省令で定める事項を記載した事業計画書を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。
2 指定保証機関は、事業計画書に記載した事項を変更したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。 3 指定保証機関は、事業年度ことに、国土交通省令で定める様式による事業報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に、国土交通大臣に提出しなければならない。

(報告及び検査)

第63条の2 国土交通大臣は、手付金等保証事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定保証機関に対しその業務に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員をしてその業務を行う場所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

最初・第5章第4節 指定保管機関

(指定等)

第63条の3 第41条の2第1項第1号の指定(以下この節において「指定」という。)は、宅地又は建物の売買(第41条第1項に規定する売買を除く。)に関し、宅地建物取引業務に代理して手付金等を受領し、当該宅地建物取引業者が受領した手付金等の額に相当する額の金銭を保管する事業(以下「手付金等保管事業」という。)を営もうとする者の申請により行う。
2 前節(第51条第1項、第57条から第60条まで及び第62条第2項第6号を除く。)の規定は、指定保管機関について準用する。この場合において、第51条第2項第3号中「政令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第3項第3号及び第52条第4号中「保証委託契約約款」とあるのは「手付金等寄託契約約款」と、第51条第4項中「保証の目的の範囲、支店及び政令で定めるその他の営業所の権限に関する事項、保証限度、各保証委託者からの保証の受託の限度、保証委託契約の締結の方法に関する事項、保証の受託の拒否の基準に関する事項」とあるのは「手付金等の保管に関する事項」と、第52条第5号及び第7号ニ中「の規定によりしとあるのは「又は第64条第1項の規定により」と、第53条中「書類」とあるのは「書類(事業方法書を除く。)」と、第56条第2項中「第41条の2第1項第1号」とあるのは「第41条第1項第1号」と読み替えるものとする。

(事業方法書の変更)

第63条の4 指定保管機関は、前条第2項において準用する第51条第3項第1号の事業方法書を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

(寄托金保管簿)

第63条の5 指定保管機関は、国土交通省令で定めるところにより、寄託金保管簿を備え、国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

(指定の取消し等)

第64条 国土交通大臣は、第63条の3第2項において準用する第54条第1項又は第62条第2項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保管機関が次の各号の一に該当する場合においては、当該指定保守機関に対し、その指定を取り消し、又は6月以内の期間を定めて手付金等保管事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1.第63条の3第2項において準用する第51条第3項第1号の事業方法書(第63条の4の規定による認可を受けたものを含む。第82条において同じ。)によらないで手付金等保管事業を営んだとき。
2.前条の規定に違反して寄託金保管簿を備えず、これに同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は寄託金保管簿を保存しなかつたとき。 2 国土交通大臣は、前項の規定により手付金等保管事業の全部又は一部の停止を命じようとするときは、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
3 第16条の15第3項から第5項までの規定は、第1項の規定による処分に係る聴聞について準用する。

最初第5章の2 宅地建物取引業保証協会

(指定)

第64条の2 国土交通大臣は、次に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条第1項各号に掲げる業務の全部について適正な計画を有し、かつ、確実にその業務を行うことができると認められるときは、この章に定めるところにより同項各号に掲げる業務を行う者として、指定することができる
。 1.申請者が一般社団法人であること。
2.申請者が宅地建物取引業者のみを社員とするものであること。
3.申請者が第64条の22第1項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者でないこと。
4.申請者の役員のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 第5条第1項第1号から第4号までのいずれかに該当する者
ロ 指定を受けた者(以下この章において「宅地建物取引業保証協会」という。)が第64条の22第1項の規定により指定を取り消された場合において、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその役員であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないもの
2 国土交通大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該宅地建物取引業保証協会の名称、住所及び事務所の所在地並びに第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日を官報で公示するとともに、当該宅地建物取引業保証協会の社員である宅地建物取引業者が免許を受けた都道府県知事にその社員である旨を通知するものとする。
3 宅地建物取引業保証協会は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
5 第1項の指定の申請に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(業務)

第64条の3 宅地建物取引業保証協会は、次の各号に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。
1.宅地建物取引業者の相手方等からの社員の取り扱つた宅地建物取引業に係る取引に関する苦情の解決
2.取引主任者その他宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者に対する研修
3.社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含む。)の有するその取引により生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
2 宅地建物取引業保証協会は、前項の業務のほか、社員である宅地建物取引業者との契約により、当該宅地建物取引業者が受領した支払金又は預り金の返還債務その他宅地建物取引業に関する債務を負うこととなつた場合においてその返還債務その他宅地建物取引業に関する債務を連帯して保証する業務(以下「一般保証業務」という。)及び手付金等保管事業を行うことができる。
3 宅地建物取引業保証協会は、前2項に規定するもののほか、国土交通大臣の承認を受けて、宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な業務を行うことができる。 4 宅地建物取引業保証協会は、国土交通省令の定めるところにより、その業務の一部を、国土交通大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。

(社員の加入等)

第64条の4 一の宅地建物取引業保証協会の社員である者は、他の宅地建物取引業保証協会の社員となることができない。
2 宅地建物取引業保証協会は、新たに社員が加入し、又は社員がその地位を失つたときは、直ちに、その旨を当該社員である宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。 3 宅地建物取引業保証協会は、社員が社員となる前(第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前に社員となつた者については当該弁済業務開始日前)に当該社員と宅地建物取引業に関し取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し同項の規定による弁済が行なわれることにより弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、当該社員に対し、担保の提供を求めることができる。

(苦情の解決)

第64条の5 宅地建物取引業保証協会は、宅地建物取引業者の相手方等から社員の取り扱つた宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するとともに、当該社員に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 宅地建物取引業保証協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該社員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 社員は、宅地建物取引業保証協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。
4 宅地建物取引業保証協会は、第1項の申出及びその解決の結果について社員に周知させなければならない。

(宅地建物取引業に関する研修)

第64条の6 宅地建物取引業保証協会は、一定の課程を定め、取引主任者の職務に関し必要な知識及び能力についての研修その他宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者に対する宅地建物取引業に関する研修を実施しなければならない。

(弁済業務保証金の供託)

第64条の7 宅地建物取引業保証協会は、第64条の9第1項又は第2項の規定により弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から一週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
2 弁済業務保証金の供託は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所にしなければならない。
3 第25条第3項及び第4項の規定は、第1項の規定により供託する場合に準用する。この場合において、同条第4項中「その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に」とあるのは、「当該供託に係る社員である宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に当該社員に係る供託をした旨を」と読み替えるものとする。

(弁済業務保証金の還付等

) 第64条の8 宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含む。)は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すへき第25条第2項の政令で定める営業保証金の額に相当する額の範囲内(当該社員について、すでに次項の規定により認証した額があるときはその額を控除し、第64条の10第2項の規定により納付を受けた還付充当金があるときはその額を加えた額の範囲内)において、当該宅地建物取引業保証協会が供託した弁済事務保証金について、当該宅地建物取引業保証協会について国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後、弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、同項の規定により弁済を受けることができる額について当該宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会は、第1項の権利の実行があつた場合においては、法務省令・国土交通省令で定める日から2週間以内に、その権利の実行により還付された弁済業務保証金の額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
4 前条第3項の規定は、前項の規定により供託する場合に準用する。
5 第1項の権利の実行に関し必要な事項は法務省令・国土交通省令で、第2項の認証に関し必要な事項は国土交通省令で定める。

(弁済業務保証金分担金の納付等)

第64条の9 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる日までに、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所及びその他の事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
1.宅地建物取引業者で宅地建物取引業保証協会に加入しようとする者 その加入しようとする日
2.第64条の2第1項の規定による指定の日にその指定を受けた宅地建物取引業保証協会の社員である者 前条第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日の1月前の日
2 宅地建物取引業保証協会の社員は、前項の規定による弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したとき(第7条第1項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、その日から2週間以内に、同項の政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会の社員は、第1項第2号に規定する期日までに、又は前項に規定する期間内に、これらの規定による弁済業務保証金分担金を納付しないときは、その地位を失う。
4 第1項の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、弁済業務保証金の追加の供託及び弁済業務保証金分担金の追加納付又は弁済業務保証金の取戻し及び弁済業務保証金分担金の返還に関して、所要の経過措証(経過措置に関し監督上必要な措置を含む。)を定めることができる。

(還付充当金の納付等)

第64条の10 宅地建物取引業保証協会は、第64条の8第1項の権利の実行により弁済業務保証金の還付があつたときは、当該還付に係る社員又は社員であつた者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を宅地建物取引業保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた社員又は社員であつた者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会の社員は、前項に規定する期間内に第1項の還付充当金を納付しないときは、その地位を失う。

(弁済業務保証金の取戻し等)

第64条の11 宅地建物取引業保証協会は、社員が社員の地位を失つたときは当該社員であつた者が第64条の9第1項及び第2項の規定により納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の弁済業務保証金を、社員がその一部の事務所を廃止したため当該社員につき同条第1項及び第2項の規定により納付した弁済業務保証金分担金の額が同条第1項の政令で定める額を超えることになつたときはその超過額に相当する額の弁済業務保証金を取り戻すことができる。
2 宅地建物取引業保証協会は、前項の規定により弁済業務保証金を取りもどしたときは、当該社員であつた者又は社員に対し、その取りもどした額に相当する額の弁済業務保証金分指令を返還する。
3 前項の場合においては、当該社員が社員の地位を失つたときは次項に規定する期間が経過した後に、宅地建物取引業保証協会が当該社員であつた者又は社員に対して債権を有するときはその債権に関し弁済が完了した後に、宅地建物取引業保証協会が当該社員であつた者又は社員に関し第64条の8第2項の規定による認証をしたときは当該認証した額に係る前条第1項の還付充当金の債権に関し弁済が完了した後に、前項の弁済業務保証金分担金を返還する。
4 宅地建物取引業保証協会は、社員が社員の地位を失つたときは、当該社員であつた者に係る宅地建物取引業に関する取引により生じた債権に関し第64条の8第1項の権利を有する者に対し、6月を下らない一定期間内に同条第2項の規定による認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない。 5 宅地建物取引業保証協会は、前項に規定する期間内に申出のなかつた同項の債権に関しては、第64条の8第2項の規定による認証をすることができない。
6 第30条第3項の規定は、第1項の規定により弁済業務保証金を取りもどす場合に準用する。

(弁済業務保証金準備金)

第64条の12 宅地建物取引業保証協会は、第64条の8第3項の規定により弁済業務保証金を供託する場合において還付充当金の納付がなかつたときの弁済業務保証金の供託に充てるため、弁済業務保証金準備金を積み立てなければならない。
2 宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金(第64条の7第3項及び第64条の8第4項において準用する第25条第3項の規定により供託された有価証券を含む。)から生ずる利息又は配当金を弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会は、第64条の8第3項の規定により弁済業務保証金を供託する場合において、第1項の弁済業務保証金準備金をこれに充ててなお不足するときは、その不足額に充てるため、社員に対し、その者に係る第64条の9第1項の政令で定める弁済業務保証金分担金の額に応じ特別弁済業務保証金分担金を宅地建物取引業保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
4 前項の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から1月以内に、その通知された額の特別弁済業務保証金分担金を当該宅地獲物取引業保証協会に納付しなければならない。
5 第64条の10第3項の規定は、前項の場合に準用する。
6 宅地建物取引業保証協会は、弁済実務保証金準備金を第64条の8第3項の規定による弁済業務保証金の供託に充てた後において、第64条の10第2項の規定により当該弁済業務保証金の供託に係る還付充当金の納付を受けたときは、その還付充当金を弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。 7 宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金準備金の額が国土交通省令で定める額を超えることとなるときは、第64条の3第1項から第3項までに規定する業務の実施に要する費用に充て、又は宅地建物取引業の健全な発達に寄与する事業に出えんするため、国土交通大臣の承認を受けて、その超過額の弁済業務保証金準備金を取り崩すことができる。

(営業保証金の供托の免除)

第64条の13 宅地建物取引業保証協会の社員は、第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後においては、宅地建物取引業者が供託すべき営業保証金を供託することを要しない。

(供託を免除された場合の営業保証金の取りもどし)

第64条の14 宅地建物取引業者は、前条の規定により営業保証金を供託することを要しなくなつたときは、供託した営業保証金を取りもどすことができる。
2 第30条第3項の規定は、前項の規定により営業保証金を取りもどす場合に準用する。

(社員の地位を失つた場合の営業保証金の供託)

第64条の15 宅地建物取引業者は、第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後に宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失つたときは、当該地位を失つた日から1週間以内に、第25条第1項から第3項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。この場合においては、同条第4項の規定の適用があるものとする。

(事業計画書等)

第64条の16 宅地建物取引業保証協会は、毎事業年度開始前に(第64条の2第1項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後すみやかに)、収支の見積りその他国土交通省令で定める事項を記載した事業計画書を作成し、国土交通大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
2 宅地建物取引業保証協会は、事業年度ごとに、国土交通省令で定める様式による事業報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に、国土交通大臣に提出しなければならない。

(一般保証業務)

第64条の17 宅地建物取引業保証協会は、一般保証業務を行なう場合においては、あらかじめ、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣の承認を受けなければならない。
2 宅地建物取引業保証協会は、一般保証業務を廃止したときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
3 第57条から第60条までの規定は、−般保証業務を行なう宅地建物取引業保証協会に準用する。この場合において、第60条中「政令」とあるのは、「国土交通省令」と読み替えるものとする。

(手付金等保管事業)

第64条の17の2 宅地建物取引業保証協会は、手付金等保管事業を行う場合においては、あらかじめ、事業方法書を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の承認を受けなければならない。
2 宅地建物取引業保証協会が手付金等保管事業について前項の承認を受けたときは、第41条の2第1項第1号の指定を受けたものとみなす。この場合においては、第63条の3及び第64条の規定は適用せず、第63条の4中「前条第2項において準用する第51条第3項第1号」とあるのは、「第64条の17の2第1項」と読み替えて、同条の規定を適用する。
3 宅地建物取引業保証協会は、手付金等保管事業を廃止したときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。この場合において、届出があつたときは、第1項の承認は、その効力を失う。

(報告及び検査)

第64条の18 第63条の2の規定は、宅地建物取引業保証協会について準用する。この場合において、同条第1項中「手付金等保証事業」とあるのは、「宅地建物取引業保証協会の業務」と読み替えるものとする。

(役員の選任等)

第64条の19 宅地建物取引業保証協会の役員の選任及び解任並びに解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(改善命令)

第64条の20 国土交通大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、宅地建物取引業保証協会に対し、財産の状況又はその事業の運営を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(解任命令)

第64条の21 国土交通大臣は、宅地建物取引業保証協会の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき、又はその在任により当該宅地建物取引業保証協会が第64条の2第1項第4号に掲げる要件に適合しなくなるときは、当該宅地建物取引業保証協会に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

(指定の取消し等)

第64条の22 国土交通大臣は、宅地建物取引業保証協会が次の各号の一に該当するときは、当該宅地建物取引業保証協会に対して、第64条の2第1項の規定による指定を取り消すことができる。
1.弁済業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
2.この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。
3.第64条の20又は前条の規定による処分に違反したとき。
2 国土交通大臣は、第64条の2第1項の規定による指定を取り消したとき、又は宅地建物取引業保証協会が解散したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
3 第16条の15第3項から第5項までの規定は、第1項の規定による処分に係る聴聞について準用する。

(指定の取消し等の場合の営業保証金の供託)

第64条の23 宅地建物取引業保証協会が第64条の2第1項の規定による指定を取り消され、又は解散した場合においては、当該宅地建物取引業保証協会の社員であつた宅地建物取引業務は、前条第2項の規定による公示の日から2週間以内に、第25条第1項から第3項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。この場合においては、同条第4項の規定の適用があるものとする。

(指定の取消し等の場合の弁済業務)

第64条の24 第64条の2第1項の規定による指定を取り消され、又は解散した宅地建物取引業保証協会(以下この条及び次条において「旧協会」という。)は、第64条の22第2項の規定による公示の日から1週間以内に、指定を取り消され、又は解散した日において社員であつた宅地建物取引業者に係る宅地建物取引業に関する取引により生じた債権に関し第64条の8第1項の権利を有する者に対し、6月を下らない一定期間内に同条第2項の規定による認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない。
2 旧協会は、前項の規定による公告をした後においては、当該公告に定める期間内に申出のあつた同項に規定する債権について、なお第64条の8第2項の規定による認証の事務を行なうものとする。 3 旧協会は、第1項の公告に定める期間内に第64条の8第2項の規定による認証を受けるための申出があつた場合において、同項に規定する認証に係る事務が終了したときは、その時において供託されている弁済業務保証金のうちその時までに同項の規定により認証した額で同条第1項の権利が実行されていないものの合計額を控除した額の弁済業務保証金を取りもどすことができる。
4 旧協会は、第1項の公告に定める期間内に第64条の8第2項の規定による認証を受けるための申出がなかつたときは、供託されている弁済業務保証金を取りもどすことができる。ただし、同項の規定により認証した額で同条第1項の権利が実行されていないものの合計額に相当する額の弁済業務保証金については、この限りでない。
5 旧協会は、第64条の8第2項の規定又は第2項の規定により認証した額で第64条の22第2項の規定による公示の日から10年を経過する日までに第64条の8第1項の権利が実行されていないものに係る弁済業務保証金については、これを取りもどすことができる。
6 第30条第3項の規定は、第1項の規定による公告及び前3項の規定による弁済業務保証金の取りもどしについて準用する。

(指定の取消し等の場合の弁済業務保証金等の交付)

第64条の25 旧協会は、前条第3項から第5項までの規定により取り戻した弁済業務保証金、第64条の2第1項の規定による指定を取り消され、又は解散した日(以下この条において「指定取消し等の日」という。)以後において第64条の10第2項の規定により納付された還付充当金並びに弁済業務保証金準備金(指定取消し等の日以後において第64条の12第4項の規定により納付された特別弁済業務保証金分担金を含む。)を、指定取消し等の日に社員であつた者に対し、これらの者に係る第64条の9第1項の政令で定める弁済業務保証金分担金の額に応じ、国土交通省令の定めるところにより、交付する。